転職を考える際には、ボーナスを損することなく受け取れる転職の時期・タイミングに悩みます。「いつから転職活動を始めれば良いか」「退職はいつ申し出れば良いか」悩みはつきません。この記事では、ボーナスを受け取って転職するために重要なポイントを詳しく解説します。正しい知識をつけて、より良い転職活動をしていきましょう。
可能であればボーナスは貰ってから転職
結論、転職をする際には、ボーナスをもらった少しタイミングで転職することをお勧めします。転職をする際には、引っ越しをともなったりもろもろ出費がかさむ可能性があります。後述しますが、転職してすぐはボーナスが下がる可能性もあるため、もらえるのであればボーナスがもらってから転職したいのが本音です。
ボーナスを貰い損ねずに転職するには
それでは、ボーナスを貰い損ねずに転職するためにはどうするのよいのでしょうか。計画をたてずになんとなく転職活動を進めてしまうと、ボーナスを貰えずに損をしてしまいます。ボーナスを受け取って転職するために必要なポイントをみていきましょう。
転職活動と退職交渉に要する時間とは
まず理解しておくべき事は、転職活動と退職交渉に要する時間です。1ヶ月程度で転職活動が完了すると思っている方は多いですが、意外と時間はかかります。
転職をしようと考えてから、転職エージェントなどに相談し、企業にエントリーして面接を経て内定が出るまでに、約3ヶ月かかります。そこから、退職交渉を経て現職を退職し転職先に入社するまでに約1ヶ月かかります。
この期間を考慮して、ボーナスをもらって転職するための理想的なスケジュールをみていきましょう。
理想的なスケジュール
仮に、夏(6月)と冬(12月)の2回ボーナスがでるとしてスケジュールを考えると、理想的なスケジュールは以下です。
【夏のボーナスをもらって転職する場合】
5月上旬〜:企業にエントリー/採用面接を受ける
6月中旬:ボーナスの支給を受ける/転職先から内定をもらう
6月末:退職の申し出をする
7月:引き継ぎを終えて退職
8月:転職先の企業に入社
【冬のボーナスをもらって転職する場合】
11月上旬〜:企業にエントリー/採用面接を受ける
12月中旬:ボーナスの支給を受ける/転職先から内定をもらう
12月末:退職の申し出をする
1月:引き継ぎを終えて退職
2月:転職先の企業に入社
ここでのポイントは、賞与支給のタイミングから逆算して、転職活動の開始時期を決めることです。転職活動に要する時間がわかっていないと、想像以上に時間がかかり、賞与はもらえたものの今度は転職先での支給賞与額が下がってしまいます。
また、ボーナス支給後に退職の届け出をすることがポイントです。詳細は後述しますが、ボーナス支給前に退職の届け出をしてしまうと、場合によっては支給額が減るなどのリスクがあります。
就業規則に注意
そうすることなくボーナスを受け取るためには、就業規則を確認することが重要です。現在勤務している企業の就業規則には、ボーナス(賞与)の支給に関するルールが定められているはずです。就業規則によって損しないための対策が異なりますので、以下のポイントを確認するようにしてください。
算定期間
1つ目に重要なポイントは、賞与の算定期間です。
例えば、6月に支給される賞与が、10月から3月の個人業績に対する評価によって支給されるとすると、この10月から3月までの期間を算定期間と言います。退職前に期待される賞与が、どの期間に対する賞与なのかを把握しておくことで、支給される額のイメージができたり、自分が賞与を受け取る権利を認識できりします。
賞与支給規定
2つ目に重要なポイントは、賞与の支給規定です。会社によっては、賞与の支給日に在籍をしていないと賞与が受け取れなかったり、退職が決まっている社員に対しては賞与を支払わないと決められていたりします。
また、退職が決まっている社員に対しては、ボーナスを減額すると定めている可能性もあります。
こうしたことから、賞与を支給された後に退職の申し出をすることがおすすめです。
もらい逃げだと思われない?
こうして考えていくと、ボーナスをもらってすぐやめるというのは、もらい逃げだと思う方もいるかもしれません。日本人は、礼儀や道理を重んじる民族ですので、そうした懸念は当然のことでしょう。ここでは、少しでも不安を解消するための考え方を解説します。
ボーナスは権利
まず、ボーナスをもらうことが権利であると割り切りましょう。上述のように、ボーナスはすでに働いてきた期間に対する対価である場合がほとんどです。退職間際にもらうボーナスは、数ヶ月前の自身の取り組みの成果です。後ろめたさがあるのは仕方ないですが、ボーナスを受け取る事は決して悪いことではありません。
円満退職のために引き継ぎは丁寧に
ボーナスを受け取ることが権利であるものの、円満退職のためには業務の引き継ぎは心をこめて丁寧に行いましょう。引継ぎ業務をいい加減に行ってしまうと、本来当然の権利であるはずのボーナスの受け取りが、「もらい逃げ」に映ってしまいます。「立つ鳥跡をにもさず」です。今までお世話になった会社で、最後まで誠心誠意仕事をすることが重要です。
転職後のボーナスは?
現職のボーナスを受け取れることがわかったところで、転職後のボーナスはどうなるのか気になる方が多いでしょう。転職後のボーナスの考え方について、さっそく見ていきましょう。
初年度最初のボーナスは出ないことが多い
結論からお伝えすると、転職先の初年度最初のボーナスは、出ないまたは出ても少しであることが多いです。上述のように、支給されるボーナスは、数ヶ月前の成果に対するものだからです。
例えば、8月に転職をしたとしましょう。一般的なボーナス支給スケジュールの通り、冬のボーナスが12月に支給されるとします。その場合、多くの会社は4月から9月までの業績に対して12月の賞与を支給します。8月から入社をしている場合には、8月と9月しか賞与算定期間に在籍をしていないため、ボーナスは支給されないもしくは減額になるのは当然です。
こうしたことから、「ボーナスはいらないから辞めたい」と、すぐに現職を辞めてしまうと、転職先で初年度ボーナスが少なくなるのこともあり、収入が一気に下ります。安易に判断して転職することで、生活が苦しくなることが多いので、注意しましょう。
ボーナスに関する質問はして良い?
こうしたボーナスに関する制度については、転職活動字に確認しておきたいところです。ただし、確認の仕方には注意しましょう。
- 面接時に確認する
- 転職エージェントに確認してもらう
- 内定通知書が出てから確認する
簡単なのは、面接時に確認する方法ですが、企業によっては印象悪くする可能性がありますので、注意が必要です。話の流れで聞いてもいい雰囲気かどうか見極めていきましょう。
転職エージェントを利用している場合は、転職エージェントに確認してもらうのがオススメです。転職エージェントは、企業との関係性が深く、すでにボーナスについて知っていたり、確認するとしても細心の注意を払って確認してくれます。
転職エージェントを使っていなくても、内定通知書をもらってから確認できます。内定通知書には、給与や勤務条件、賞与の規定が書かれています。このタイミングで、初年度賞与の規定はどうなっているのかを確認すれば問題ありません。
あくまでもキャリアプランが重要
ボーナスをもらうために、転職の時期を調整することは悪いことではありません。しかしながら、転職においては、あくまでもキャリアプランが重要です。
求人は生モノです。常に自分にあった求人があるとは限りません。ボーナスだけを指標に企業を選び、キャリアプランに合っていない企業に入ってしまっては本末転倒です。改めて、自分がなぜ転職するのかを振り返りましょう。転職の意図にあった企業選びが何より重要で、ボーナスは1つの要素でしかありません。
ボーナス、給料だけに縛られるのではなく、自分がどうなっていきたいのか、そのために必要なことは何かを冷静にみつめて、転職を判断することが重要です。
ボーナスのみに拘ることなくより良い転職を
ボーナスを損することなく受け取って転職する方法を解説してきました。ボーナスは、しっかり受け取ってから辞めることに越したことはありません。損なく転職するためには、正しいスケジュール感を理解し、ゴールから逆算したスケジューリングしていくことが重要です。
ボーナスは転職において1つの重要な要素ですが、ボーナスに縛られて転職の時期を決めてしまうのではなく、自分のありたい姿に近づけるのかを最重要に考えましょう。直近のお金で損をしないことも重要ですが、長期的な自分のキャリアを考えたときに損をしない判断ができるように、本気で考える転職活動にしていきましょう。