売り手市場とは
売り手市場とは、就職や転職市場に関して使われる言葉です。簡潔に言うと、求人数が求職者数を上回っている状態で、比較的転職がしやすく求職者に有利と言われる状況のことです。
売り手市場とは、言い換えると、有効求人倍率が高い状況と言えます。逆に、買い手市場とは、有効求人倍率が低く、求職者数が求人数を上回っている状態です。
求人倍率とは。「高い」「低い」の意味を含めてわかりやすく解説。
厚生労働省によると、2018年は1973年依頼45年ぶりの売り手市場の状況と言われています。
また、株式会社リクルートキャリアの調査によると、2019年に中途採用を増やすと答えている企業が3割以上で、減らすと答えている企業が1割以下になっていることから、2019年も売りて市場の水準が続いていくのではと言われています。
売り手と買い手とは
売り手市場、買い手市場で使われる「売り手」と「買い手」の意味を解説します。
売り手とは、何かを供給する側のことで、労働市場においては労働力を供給する側、つまり求職者のことです。
逆に買い手とは、何かの需要がある側のことで、労働市場においては労働ちょくの需要がある側、つまり企業のことです。
労働力を「売る」求職者と、労働力を「買う」企業と覚えておくとわかりやすいです。
資本主義市場と同様に、労働市場においても、需要と供給で価格が決まります。需要が供給を上回ると価格が上昇するように、労働市場において求人(需要)が求職者(供給)を上回ると、賃金(価格)が上昇する傾向にあります。この状況が、「売り手市場」です。
売り手市場と就職・転職活動との関係
売り手市場では、就活及び転職活動をしている求職者にとっては「有利」になります。すなわち、一人あたりの求人数が多く、内定可能性が高い状態です。
しかし、以下のような勘違いをしてはいけません。
- 誰でも内定が出やすい
- どんな業界、業種でも内定が出やすい
これらがよくある売り手市場の勘違いです。売り手市場は、「数字上の話」であり、誰でもどんな業界でも内定がでやすいわけではありません。
例えば、スキルが高い人とそうでない人では、内定可能性が当然違いますし、1人で何社も内定を勝ち取る人もいれば、1社も内定を取れない人もいます。
また、売り手市場で転職倍率が高くても、業界や業種によっては0.5倍以下の圧倒的に買い手市場の業界・業種は存在します。
売り手市場だから、誰でもいつでも内定が取れるというのは勘違いです。