転職面接を控えているものの、何を対策すれば良いのか。多かれ少なかれ、感じている悩みではないでしょうか。
この記事では、転職面接対策で最低限すべきこと、転職面接のポイントを解説します。適切な対策をして、より良い転職活動ができるようにしていきましょう。
転職面接対策で特に重要なポイント
転職面接の対策で特に重要なポイントを解説します。転職面接の対策時間がないという方でも、「これだけは徹底的に対策しておくべき」という内容を解説しますので、最低限きちんと理解しておきましょう。
「なぜ?」を何回も繰り返して思考を深堀りする
転職面接の対策においては、「なぜ?」を何度も何度も繰り返して思考を深堀りすることが最重要です。どんな質問に対する回答においても、とにかく重要です。
予想される質問に対して、1つの回答を考えて終わるのではなく、その回答に対して最低でも3回「なぜ?」と問いかけてみてください。
「なぜ?」を繰り返しても、自信をもって論理的な回答ができる方は、自己分析ができていて思考が整理されている証拠です。
「なぜ?」に弱い方は、とにかく繰り返し深堀りをして、思考を深めることが重要です。
「なぜ転職する?」
ここからは、特に重点的に思考を深めておくべき2つの質問を解説します。
1つ目は、「なぜ転職するのか」です。
この質問は、転職面接においてほぼ100%聞かれる質問で、企業が候補者を見極めやすい質問です。
非常に重要なポイントが詰まっていますので、きちんと押さえておきましょう。
退職理由と志望動機と区別する
転職理由に関する質問で多いのが、退職理由と志望動機と混同してしまっているパターンです。
基本的な考え方を整理します。
退職理由 | 会社を辞めた(辞めようと思っている)理由。ネガティブでも可。 |
転職理由 | 転職してどうなりたいのか。 なりたい像に近づくために転職しなければならない理由。 |
志望動機 | 転職理由に紐付いて、その会社を選んだ理由。 |
転職理由というのは、「こうなりたい」という自分に対して、転職という手段を使って近づいていくということを説明できる状態がベストです。
つまり、なりたい自分を達成するために、環境を変える必要があるということで、前向きなポジティブな思考になっていることが望ましいです。
しかしながら、転職面接で多いのが、「転職理由」を聞かれているのに、「退職理由」を話してしまうパターンです。
退職理由は、ネガティブでも構いません。仕事が面白くなくなった、給料が低いなど、ネガティブな要素は当然あるでしょう。
しかしながら、転職理由においては、「こうなりたい」と、ポジティブな回答ができるように対策しましょう。
例えば、「今の営業職だと、ただの物売りになりがちで、もっと顧客の本質的な課題解決営業ができるようになりたいので、転職したいと考えました。」などです。
この答えに対しても、「なんでそう思うの?」と、更に深堀りをしていくことは必須です。
転職理由はなりたい姿に接続する
転職理由を考える際は、自分の「なりたい姿」に接続する形で考える必要があります。
例えば、将来的に、「新規事業を立ち上げられる人材になりたい」とします。
そのために必要なスキルを、例えばクライアントの課題設定能力なのか、課題解決能力なのか、デジタルマーケティング能力なのか、自分の強みや弱みを考えて設定します。
こうして設定した自分が身につけるべきスキルや経験を身につけるために、「こういう会社でこういう仕事をして、成長していきたい」という形で考えていくことがポイントです。
しつこいようですが、この場合も、「なぜ?」を繰り返して深堀りしましょう。
「現職で1番工夫して成果を出した仕事は?」
もう1つ、面接対策を重点的にしておくべき質問は、「現職でどんな工夫をして、どんな成果を出したか」です。
業務の棚卸しがきちんとできているか、業務スキルの汎用性があるかを見られます。
具体的にどんな工夫して、その取組の結果どんな成果につながったのかを、端的にまとめられるようにしておきましょう。
営業職やマーケティング職など、数字で測れるお仕事については、成果で数字を語ることは必須です。
また、
- なぜその工夫をしたのか
- 何を課題とおいたのか、それはなぜか
を明確にしておくことが非常に重要です。
課題を正しく設定する力、論理的な思考能力を見られます。「なんとなくしました」は論外です。
きちんと結果を狙って、正しく工夫をしていることが重要です。
正しく課題設定し、工夫ができるということは、仕事が変わったとしても汎用性がある能力として捉えられ、高評価になります。
「なぜその工夫をしたのか」という点は、深堀りされても大丈夫なように、「なぜ?」を繰り返して論理的に思考を整理しておきましょう。
転職面接の流れで対策すべきこと
ここからは、転職面接の流れに沿って、対策すべきことを解説します。転職面接の準備を入念に進めていきましょう。
転職面接のマナー
面接で何を話すかを考える前に、最低限押さえておくべきなのは、面接のマナーです。
- 服装
- 持ち物
- 受付
3つのマナーについてみていきましょう。
服装
転職面接時の服装は、「企業からの指示に従う」ことが大原則です。
「スーツでお越し下さい」「ビジネスカジュアルでお越し下さい」「指定はございませんので、平服でお越しください」などの指定がある場合は、指定に従ってください。
指定がない場合や、自由と言われた場合は、スーツで臨むのが無難です。
転職面接時には、無地のスーツ、無地のシャツ、ブラウスを用意しておくことが望ましいです。
服装に関する詳細は、転職面接時の服装の基本とは。男女別のポイントも解説。を参考にしてください。
持ち物
面接対策で抜けがちな持ち物ですが、きちんと事前に準備しておくほうが安心です。
最低限、以下の持ち物は準備をしておきましょう。
- 履歴書と職務経歴書のコピー
- 求人票
- 筆記用具とノート(メモ)
- 携帯電話
- 担当者のお名前と電話番号の控え
- 身分証明書
- 印鑑
- 履歴書の写真の予備
- 現金
- A4サイズの書類が入るクリアファイルと鞄
持ち物に不備があると、動揺してしまって面接に響く場合がありますので、事前にきちんチェックしてそろえておきましょう。
持ち物に関する詳細は、転職面接に必須な持ち物13選。男女別にベターな持ち物まで徹底解説。を参考にしてください。
受付
転職面接の受付は意外と肝で、会社に到着したは良いものの、どうして良いかわからなくなってしまう方もいます。
法人営業職を経験していれば問題ないかと思いますが、受付方法について、面接対策の一環として確認しておきましょう。
受付は、早すぎても遅すぎてもダメで、5分〜7分前を目安に受付をするのがマナーです。
- 総合受付がビルの1階にある場合
- 各フロア、各企業に受付電話がある場合
- 受付電話がなく、直接ドアをノックする場合
大きく3つの場合がありますが、すべて時間を守って受付を済ませましょう。
受付をする際には、以下の情報をはっきりと爽やかに伝えましょう。
- 挨拶(お世話になります)
- 名前
- 面接に来た旨と約束時間
- 約束したご担当者のお名前
受付でのコミュニケーションから、面接は始まっていると考え、良い印象を与えられるように準備しましょう。
受付の詳細は、転職面接時の受付のポイントは?受付時間と電話の仕方を含めて詳しく解説。を参考にしてください。
転職面接の進行の流れ
面接の対策をするには、流れをきちんと理解しておくことが重要です。
転職面接の流れは、当然企業によって差がありますが、大まかにスタンダードとなっているのは以下の流れです。
- 自己紹介
- 現在の仕事内容の説明
- 転職理由の説明
- 志望動機の説明
- 面接官から求人の説明
- 逆質問
- 退室
この流れに沿って、必要な面接対策をしておけば、基本的には問題ありません。
参考:転職時の中途採用面接の流れとは。自己紹介の仕方を含めて徹底解説。
準備を怠りがちなのが、「逆質問」です。
逆質問は、求職者から面接官に質問をするということで、仕事内容や会社のこと等を質問するのが一般的です。
逆質問で、調べればわかるようなことを聞いたり、質問が全くないと、良い印象を持たれませんので、複数の質問を準備して臨むことがポイントです。
逆質問については、転職面接官経験者が教える「逆質問は何を聞く?」適切な質問例まで徹底解説。を参考にしてください。
転職面接の質問への対策
ここからは、具体的な質問への対策をみていきます。
自己紹介
自己紹介は、転職面接で必ず求められる内容です。
聞かれ方は、「自己紹介をお願いします。」「職務経歴を教えて下さい。」「職務経歴を含めて、自己紹介をお願いします。」など様々ですが、答える内容は同じです。
ポイントは、氏名を述べて、職務経歴を簡単に話して、30秒〜1分以内でまとめることです。
よろしくないのは、聞かれてもいない成果や学んだことをダラダラ話すことです。
自己紹介では、どんな仕事をしてきたのかにとどめておきましょう。
回答例
頭の中で考えるだけではなく、口に出して話して対策をしましょう。
志望動機
続いて、こちらも定番の志望動機です。
志望動機のポイントは、
- 転職理由と整合性がある
- なぜその会社かが明確
ということです。
自分の転職理由、つまり、なりたい像に対して繋がっているかを特に意識しましょう。
回答例
その他の質問例
ここでは、その他によくある質問例をご紹介します。
自分に関する質問例
- 長所と短所は?
- 現職の上司から長所と短所をどのように言われていた?
- 学生時代に1番頑張ったことは?
- 今までの人生で1番大変だったことは?それをどうやって乗り越えた?
キャリアに関する質問例
- 5年後はどうなっていたい?
- 転職することでどうなりたい?
- 人生で仕事において何を成し遂げたい?
- 今回の転職はどんな基準で仕事を選ぶ?
面接でありがちなNG例
ここでは、転職面接のお見送り理由でありがちなパターンを紹介します。
ここで挙げる代表的な3つが、NG理由の大部分を占めますので、対策をしていきましょう。
質問と回答がずれる
転職面接において、最も嫌われるのが、質問と回答がずれることです。
例えば、「現職で1番成果をあげた経験を教えて下さい。」という質問に対する回答で考えてみましょう。
ありがちなのが、「私は、販売職において、お客様が本当に困っていることに寄り添いたく、深い部分までヒアリングをするようにしていました。そうすることで、お客様から感謝されることが多くなり、非常にやりがいを感じました。」というパターンです。
「成果」を聞かれているのに、「やりがい」を答えてしまっていますよね。
求められているのは成果ですので、成果を回答すべきです。
回答例
質問に答える際には、「この質問は何を聞かれているのか」をまず整理してから答えるように対策しておきましょう。
結論がわからない
回答がずれるのと同様に嫌われるのが、結論として何が言いたいのかわからないパターンです。
例えば、転職理由を聞かれた場合を考えてみましょう。
転職理由を聞かれたら、「今の仕事は〜ですが、今後このようなスキルを身につけたいと考えたので、転職しようと思いました。」など、結論を簡潔に伝えるべきです。
しかしながら、
「私はもともと、〜をやりたいと思って入社しました。そこで、〜の仕事を実際にやっていくと、〜と思うようになりました。そこで、周りの同僚や別の会社に勤める友人に話を聞いてみると、自分はもっと成長しないといけないと思いました。ですので、今の会社でもっと頑張らないといけないと思ったのですが、、、、、ですので、環境を変えようと思いました。」
のように、ダラダラと背景や経緯を話し続け、面接官を飽きさせてしまう方が多いです。
面接官役をやってみるとわかりますが、30秒以上、長くても1分以上話されると、正直何を言っているのかわからなくなります。
更に言うと、何の質問に対する回答をしているのかさえわからなくなります。
面接対策では、結論から簡潔に伝える練習を徹底しておきましょう。
他責
最後に、転職面接の場では、他責が伝わってしまうと非常に嫌われます。
他責というのは、文字通り、自分の仕事や行動の結果を、人や環境のせいにしているということです。
例えば、転職理由を伝えるときに、他責に伝わる言い方をしている方が多いです。
- 頑張っているのにきちんと評価してもらえない
- サービスや商品がお客様のニーズにあっていないので売れない
- 上司と合わない
- この環境だと成長できない
このような考え方をしていませんか?
共通のツッコミどころとしては、「で、あなたは何をしたの?」です。
「自分が泥臭く努力をして、何かしらの成果を残したけれども、やはり環境を変えたほうが良い」と、自信をもって言える状態になっているかを、きちんと対策しましょう。
転職面接対策をしないのはありえない
転職面接対策での最重要ポイントや、転職面接の流れにおいて対策すべきポイントについて解説しました。
どれだけ面接が得意だと思っている人でも、転職面接に対策なしで臨むのはおすすめできません。
簡潔に結論から述べる練習をしたり、思考の整理をしたりするのは必須です。
ポイントを押さえて、きちんと面接対策をしてから面接に臨みましょう。