転職面接では、自己紹介がほとんどの場合で実施されます。
そこで、どんなことを話せば良いのか、何を見られているのか、不安や悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。
この記事では、転職面接の自己紹介で見られているポイント、何を話せば良いか、好印象な例文まで詳しく解説します。
自己紹介は、面接での印象を大きく左右する重要な要素ですので、失敗しないようにきちんとポイントを押さえていきましょう。
面接官がなぜ自己紹介を求めるのか
面接官がなぜ自己紹介を求めるのか、つまり、自己紹介で何を見られているのかを理解しておくことは重要です。
自己紹介を求める理由は、
- コミュニケーション能力を図りたい
- 求職者の経歴を全体像で知りたい
- 人柄(雰囲気)を知りたい
大きくこの3つです。
短い時間で端的に今までの経歴を伝えられるかどうか、論理的に整理されているかなど、適切なコミュニケーションをとれるかを見ています。
また、自己紹介の内容から、あなたがどんな経験をしてどんなスキルがありそうか、人柄も含めて全体像を確認している側面もあります。
転職面接の自己紹介で伝えるべきこと
転職面接の自己紹介で伝えるべきことは、きちんと考えれば限られていてシンプルです。
あまり難しく考えすぎずに、きちんと理解していきましょう。
「自己紹介」と言われたら「自己PR」はしない
まず大前提として、「自己紹介」を求められたら、「自己PR」は必要ありません。
「自己紹介」をしてくださいと言われているのに、だらだらと「自己PR」つまり自分の強みや長所を話す方が多いですが、面接官をイラつかせるだけなのでやめましょう。
更に、志望動機まで話してしまう方も多いですが、あくまでも「自己紹介」をするということがポイントです。
自己紹介で話すべき項目
「自己PRなしでどうやって話すんだよ」と思った方が多いかもしれませんが、転職面接の自己紹介では、職務経歴をシンプルに伝えるだけで問題ありません。<
伝えるべき内容はシンプルで、
- 挨拶と氏名
- 最終学歴以降の職務経歴(簡単な仕事内容まで)
- 結びの挨拶
これだけで構いません。
職務経歴については、ただ会社名を言うだけではなく、何をしている会社で「誰に・何を・どうする」仕事をしていたのかを整理して簡潔に伝えましょう。
転職面接の自己紹介時のポイント・注意点
転職面接で自己紹介をする場合に、押さえておくべきポイントと注意点を解説します。
ここだけ押さえておけば最低限問題ないような内容ですので、きちんと理解しておきましょう。
自己紹介時間は1分以内
転職面接の自己紹介に使う時間は、長くても1分以内には収めましょう。
これは自己紹介以外の質問回答にも同じことが言えますが、面接官をやってみると、1分以上話されても何を言っているか分からなくなります。
回答は極力簡潔に、できれば30秒程度で収めましょう。
聞く側に回ってみればわかりますが、30秒話してもらえれば十分な内容になりますよ。
自己紹介では退職理由は不要
転職面接の自己紹介では、退職理由まで伝える必要はありません。
過去に転職経験がある方は特に、職務経歴を話す中で退職した理由にふれがちですが、あくまでも経歴だけ話せば大丈夫です。
また、今回転職する理由も話しがちですが、こちらも経歴だけ知りたいわけですので、わざわざ話さなくても良いです。
もっと言うと、退職理由や転職理由は話さなくても面接の中で質問してくれますので、必要以上に話さなくても良いのです。
第一印象が超重要
ここまで見てきたように話す内容も重要ですが、自己紹介では第一印象も非常に重要です。
印象は、以下のような簡単なポイントで意識的できます。
- 姿勢を正す
- 落ち着いてゆっくり話す
- はっきりと大きな声でハキハキ話す
- 面接官の目を見て話す
- 明るい表情で話す
上記のポイントは、面接前に必ず確認して臨みましょう。
それだけで、自己紹介の第一印象はクリアできます。
社内用語は使わない
最後に、意外とやってしまいがちな社内用語を使うことは避けましょう。
専門的な職種の場合は特に、社内でしか通じない言葉、業界や職種ならではの言い回しなどは使わないように気をつけましょう。
面接官は何も知らない前提で、初めて話を聞く人にも伝わる言い回しを選ぶことが重要です。
転職面接の自己紹介例
ここからは、転職面接の自己紹介における例文を、好印象なものと失敗例に分けてご紹介します。
好印象な例
まず、好印象な自己紹介の例です。
転職大学を卒業後、新卒で〇〇銀行に入社し、法人営業職として3年間勤めてまいりました。主な担当は、中小製造業の法人のお客様で、融資担当としてクライアント様の融資を中心とした資金面のご相談に応じながら融資獲得の営業をしておりました。その後、総合人材会社の〇〇に入社し、人材紹介の法人営業として、クライアント様の採用成功に向けての採用手法のご提案と適切な人材のご紹介を担当しておりました。担当業界は大手金融業界で、主に保険会社を2年間担当しておりまして今に至ります。
本日は、よろしくお願い致します。
良いポイント
- 聞かれたこと(=自己紹介)だけに端的に答えている
- 時系列で要点だけ伝えているのでわかりやすい
- 誰に何をする仕事なのかを端的に伝えている
面接の自己紹介では、大学以降の経歴を時系列で端的に話すとわかりやすいです。
失敗例
続いて、失敗例としてありがちな自己紹介をご紹介します。
今は、人材会社で営業をしています。そこでは、目標達成は常にしていて、100%から150%の達成率になっています。なぜそのような成果を出せたのかというと、人よりもクライアント様との接点を増やし、課題抽出に努めたからです。私は、答えは現場にしかないと思っているので、とにかく接点を増やすことを大切にしています。
その前は、新卒で〇〇銀行に入り、法人営業として融資案件獲得をしていました。ここでは主に新規開拓営業だったので、飛び込み数、テレアポ数ともに人よりも多くすることにこだわり、1年目は未達だったものの2.3年目は達成することができました。金融の営業をしていく中で、企業の本質的な課題は人材課題であると考え、今の会社に転職しました。
これらの経験から、私の強みは、数字達成に向けて愚直にやり切る力だと考えています。一度決めたことは、人よりもやり切ることで成果まで繋げられると思っています。この強みを活かして、御社で営業として更に成長したいと考え、志望しました。
本日は、よろしくお願い致します。
改善できるポイント
- 聞かれていないこと(=志望動機や強み)まで答えすぎ
- 時系列で話されていないので、「職務経歴」がわかりづらい
- 話が長い
面接での自己紹介は、「職務経歴」を話すのが基本のため、「時系列」で話さないとわかりづらいです。
この失敗例では、「今」の仕事から話し始めてしまっているので、経歴の理解がしづらい自己紹介になってしまっています。
また、聞かれていない「実績」や「強み」、「転職理由」まで丁寧に話してしまっているので、必要以上に話が長くなってしまっています。
こんな場合はどうする?よくある質問
ここでは、「こんな場合はどのように伝えれば良い?」と、よくある質問について解説します。
転職が多い場合
面接の自己紹介で、転職が多い場合はどのように伝えれば良いか迷う方が多いです。
結論、職務経歴は変えられないので、端的に話すことを意識して伝えることが重要です。
例えば、4社経験している方は、以下のように伝えましょう。
転職大学を卒業後、新卒でアパレル企業◯◯に入社し、店舗での販売職として1年半勤めてまいりました。その後、同じく広告会社の〇〇に入社し、◯◯業界のクライアント様を中心に担当する企画提案営業として、2年間勤務しました。そこから、人材紹介会社の〇〇に法人営業として入社し、1年半の間、◯◯業界のクライアント様の採用成功に向けて、採用手法のご提案と適切な人材のご紹介を担当しておりました。そして現在は、HRTechベンチャー企業にて、採用人事を担当し、中途採用業務ならびに入社後定着に向けた研修・組織づくりに従事しております。
本日は、よろしくお願い致します。
転職歴が多い場合は、一つひとつを丁寧に話していると時間がかかってしまうので、例のように仕事内容のみを端的に伝えれば構いません。
フリーターの場合
「転職面接の自己紹介で、フリーター経験しかない場合はどうする?」
これもよくある疑問です。
フリーター経験のみまたは現在フリーターの場合は、転職が多い場合と同様に嘘はつけませんので、素直にやってきたことを伝えましょう。
転職専門学校を卒業後、美容師として◯◯に就職しました。そこでは、アシスタントとして1年間勤めまして、お客様の接客やシャンプー、スタイリングを担当しました。薬品による手荒れが原因で退職することになり、その後は居酒屋で接客のアルバイトを1年間、ホテルで接客のアルバイトを2年間勤めており、一貫して接客業に従事しております。現在はアルバイト10名のシフト管理及び研修を正社員とともに任されており、自ら業務フローの改善提案と実行まで行っております。
本日は、よろしくお願い致します。
フリーターの方の場合は、自己紹介の中にさりげなく「自己PR」を入れることがポイントです。
上記の例の場合は、アルバイトのシフト管理や研修、自ら率先した提案など、アルバイトながら積極的に仕事をしていることをアピールしています。
フリーターの場合は、どうしても転職活動時は厳しく見られがちなので、こうしたさりげないアピールが重要です。
ただし、聞かれているのはあくまでも「自己紹介」ですので、やりすぎないようにしましょう。
参考記事:フリーターの転職は甘くない!転職成功のコツとおすすめの転職エージェントを解説
自己紹介は「一緒に働きたい」と思わせるかどうか
自己紹介で見られているポイント、好印象な例と失敗例について解説しました。
自己紹介では、明るくはきはきと、言いたいことを端的に伝えることが重要で、突き詰めると「一緒に働きたいか」を見ています。
相手に好印象を与えるべく、たかが自己紹介と思わずにこだわって練習して面接に臨みましょう。
面接の1番始めの自己紹介で悪い印象を与えてしまうと、面接内で挽回するのは難しいです。
面接官を惹き付ける自己紹介ができるように、端的にはきはき話す練習をしておくことが重要です。