「中途採用面接が1回のみで内定が出たけど、この会社大丈夫?」
「中途採用面接が1回のみなんてことある?」
このような不安をおもちの方が多いのではないでしょうか。
この記事では、転職面接が1回のみになる理由、メリットとデメリット、注意点まで詳しく解説します。
面接が1回の会社は果たして「やばい」のか、もしくは「ホワイト企業」なのか、正しく理解していきましょう。
転職面接が1回の企業はよくある
転職面接で、1回で内定が出る企業は多数存在し、よくあることです。
一般的に、転職面接の回数相場は2〜3回ですが、1回の企業や4回の企業も存在します。
面接が2回や3回の企業に比べると1回の企業は少ないですが、決して珍しいことではなく怪しいわけではありません。
大手求人サイトリクナビNEXTを見てみると、面接が1回の求人は3,000件以上存在しています。(2021年10月27日時点)
参考:転職面接の回数は多い方が良い?少ないほうが良い?回数の意図と面接官別のポイントを徹底解説
転職面接が1回のメリット
面接回数相場が2〜3回の状況で、転職面接を1回で済ませるのにどんなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、求職者にとってのメリットと企業にとってのメリットに分けて解説します。
求職者にとってのメリット
まず、求職者にとってどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
何度も面接に行く手間がなくなる
求職者にとっての1つ目のメリットは、面接に何度も行く手間がなくなり、時間とお金がかからないことです。
転職面接は複数社を併願して面接回数を重ねることが一般的で、想像以上に時間やお金、労力を使います。
面接が1回で終わるということは、転職面接に使うパワーを削減できて非常に楽と感じるものです。
内定の場合転職時期を早められる
求職者にとっての2つ目のメリットは、内定となった場合に転職時期(入社時期)を早められることです。
上述のように転職面接は一般的には2〜3回実施するため、日程調整を含めると、転職先が決まるまで早くて1ヶ月〜1ヶ月半かかります。
現職に在籍中の場合は、内定が出てから退職交渉をすることが望ましく、退職申し出をしてから早くても1ヶ月後の入社が一般的です。
つまり、転職先に入社するのに2ヶ月〜2ヶ月半かかることになります。
一方で、面接回数が1回の場合は選考期間が短くなるので、当然転職完了を早められます。
企業にとってのメリット
続いて、企業にとってのメリットをみていきましょう。
併願他社よりも早く結果を出せる
企業にとっての1つ目のメリットは、併願先よりも早く結果を出し、回答期限を設けて口説けることです。
採用する企業にとっては、回答期限の設定は非常に重要です。
併願先がある場合は、併願先の選考が終わる前に回答期限を設定することによって、絶対評価として問題なければ他社の結果を待たずに入社を承諾してもらえる可能性があります。
結果を早く出せるというのは、中途採用において大きなアドバンテージとなるのです。
入社時期を早められる
企業にとっての2つ目のメリットは、入社時期を早められることです。
1日でも早く採用したい場合は特に、面接回数が少ないことによって、面接を2回3回実施する場合よりも入社時期を早められます。
別の業務に時間を当てられる
企業にとって3つ目のメリットは、採用面接のための時間が少なくなるため、別の業務に当てる時間を確保できることです。
面接回数が増えれば増えるほど、社員が面接に割く時間が増えるため、その他の業務時間が減ります。
採用への考え方次第ですが、採用に割く時間が減ることをメリットと捉える企業もあるでしょう。
転職面接が1回のデメリット
メリットがある一方で、転職面接が1回の場合はデメリットもあります。
詳細をみていきましょう。
求職者にとってのデメリット
まず、求職者にとってのデメリットを解説します。
企業のことを知る機会が少なくなる
求職者にとっての1つ目のデメリットは、企業のことを知る機会が少なくなることです。
転職面接は、企業が求職者を見極める場であると同時に、求職者から質問したり社員と会ったりして、企業について感触を確かめる場でもあります。
面接が1回となると、企業との接触機会が減るため、入社の判断がしづらくなります。
併願先と選考スピードが合わなくなる
求職者にとっての2つ目のデメリットは、併願先の選考と進行速度が合わず、先に内定を出されてしまう可能性があることです。
併願先にも興味があって面接が2.3回ある場合、面接が1回の会社から早く内定が出ると、併願の面接が終わる前に入社承諾の回答期限となる可能性があります。
転職面接では、併願同士の選考スピードを合わせることが重要であるため、早く結果が出過ぎてしまうのはあまり良くありません。
企業にとってのデメリット
次に、企業にとってのデメリットを解説します。
見極めが難しい
企業にとってのデメリットの1つ目は、1回の面接での見極めが難しいことです。
面接で人を見極めるというのは、ただでさえ難しいです。
そんな中、たった1回の面接で初めましての人間を正しく見極めるには相当な技術が必要です。
正しい判断ができないと、入社後のミスマッチにつながる恐れがあります。
PR機会が少なく辞退リスクが上がる
企業にとってのデメリットの2つ目は、求職者に対して自社のPRをする機会が少なく、辞退されるリスクが上がることです。
転職面接は、求職者を見極める場であると同時に、企業自身のことをアピールする場でもあります。
ただジャッジをするだけでは求職者の意欲は上がらず、内定を出しても承諾してもらえません。
そこで、企業は面接時に意欲上げをするべく自社の魅力をアピールするわけですが、面接回数が少ないとその時間が少なくなってしまいます。
面接が1回の企業は危ない?
ここまで、面接が1回であることのメリットとデメリットを解説しました。
面接が1回の企業は危ないという意見が見られますが、本当にそうでしょうか?
詳細をみていきましょう。
なぜ1回で内定が出る?面接が1回の企業の特徴
そもそも、なぜ1回で内定が出るのでしょうか。
面接1回で内定を出す企業の特徴を理解していきましょう。
選考フローの特徴
面接1回で内定が出る企業は、「社長や役員クラスが1次選考に出てくるため、その場で内定が出せる」という特徴があります。
比較的規模が小さい会社に多いパターンで、面接1回で内定が出ます。
意思決定者の特徴
2つ目の特徴は、採用の意思決定者が社長以外にもいて、特に現場責任者が意思決定できることです。
役員クラスが面接をしなくても、現場の組織長が面接すれば内定を出せる場合、2回の面接をしなくても1回目の面接に出席して選考が終了します。
採用職種の特徴
3つ目の特徴は、採用職種によっては、見極めポイントが明確で1回の面接で十分判断できることです。
例えば、技術職で「この技術さえあれば問題ない」や、営業職でとにかく人が欲しく「基本的なコミュニケーション力があれば問題ない」など1回の面接で見極められる職種は、1回の面接で終了になることがあります。
求職者の人物レベルの特徴
最後に、求職者に求める人物レベルによって、1回の面接で十分判断できるとしている選考の場合です。
言い方は悪いですが、対応できる人材が多いような職種、あまり高いレベルまで求めない職種で、すぐに人材がほしい場合は、面接1回で内定を出す傾向にあります。
逆に、「どうしても今すぐにでもほしい」くらい優秀な人材と判断した場合は、1回の面接で判断することもあります。
面接が1回=ブラックではない
ここまでの解説でわかっていただけるかと思いますが、面接が1回であること=ブラック企業ではありません。
面接が1回というのは、必ずしもマイナスな理由ではなく、明確な理由があるわけです。
面接が1回だから信頼できない会社というわけではないので、安易に判断しないようにしましょう。
こんな会社には注意
転職面接1回=ブラック企業ではないとはいえ、以下のような特徴の会社は「やばい会社」として疑っても良いでしょう。
- 面接時間が極端に短い
- 質問に対する回答が曖昧でごまかす
- 必要以上にクロージングしてくる
1回の面接で判断するなら、面接時間を1時間は取りたいところです。
にもかかわらず、15分や30分の簡素な面接で内定を出してくる企業は、「誰でも良い」と思っている可能性もあるので注意が必要です。
また、質問をしても明確な回答が返ってこず、実態を隠すような企業は、入社後のミスマッチが起きる可能性があるので危険です。
更に、内定後に必要以上に急かしたりクロージングしたりしてくる企業は、冷静に見極めたほうが良いです。
あまりにも焦る理由が何か、きちんと見極めて入社しないと、「使い捨て」にされるリスクがあるので気をつけましょう。
1回で内定が出る場合の注意点
面接が1回だけと事前にわかっているのであれば、面接における確認事項をきちんと用意して質問をしてみましょう。
できることであれば、転職エージェントなどに頼んで、面接官以外の社員と会う機会を作ってもらうことも重要です。
思わぬ形で1回で内定が出た場合は、「オファー面談」を依頼しましょう。
オファー面談というのは、内定条件について、詳しく対面で説明してもらい、入社後に任せる仕事内容などの相互理解を深める面談です。
一般的な手法なので、オファー面談を実施してもらい、現場の社員さんにも同席してもらうことを申請すると、ミスマッチがなくなるのでおすすめです。
複数の転職エージェントで客観性を担保
面接が1回の会社ばかり紹介されて、今使っている転職エージェントに不安があったり、自分1人で転職活動をしていて不安が大きかったりする場合は、複数の転職エージェントに相談してみましょう。
複数のエージェントに相談することで、情報の客観性が担保されます。
自分に合いそうなエージェントを複数選んで、1つの視点に捉われることなく転職活動を進めましょう。
ここでは、特に対応が丁寧なエージェントを2つご紹介します。
更に詳しくエージェントを選びたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、新卒採用の「マイナビ」や転職サイトの「マイナビ転職」を運営する株式会社マイナビによる転職エージェントで、20代と30代を中心とした若手への手厚いサポートが特徴です。
採用する企業の人事等と強いパイプをもち、転職斡旋の力が強いエージェントです。
各業界の転職市場に精通したキャリアアドバイザーが在籍していて、他業界・業種を紹介してもらうことも可能です。
丁寧なサポートに定評があり、乗り換え先としては最適なエージェントでしょう。
パソナキャリア
パソナキャリアは、第二新卒・20代・30代と幅広い求職者に対応していて、転職サポートが手厚いことが評判のエージェントです。
書類や面接の対策まで手厚くサポートしてくれるので、初めての転職で不安が大きい方でも安心です。
どんな業界・職種でも対応可能なエージェントですが、IT・通信・インターネット業界、メーカー(機械・電気・電子)や、営業・事務職を特に得意としていることが特徴です。
オリコンの顧客満足度調査において、2019年から2021年まで3年連続でNo1の実績もあります。
1回の面接での入社判断は冷静に
中途採用において、面接回数が1回の場合のメリットとデメリットについて解説しました。
面接回数が1回だからといって、ブラック企業だとは言い切れません。
ただし、あまりにも面接時間が短かったり、曖昧な回答をされたりする場合は冷静に見極め判断をしましょう。
あまりにも入社承諾を急かされる場合は疑うべきですし、社員に合わせてもらったり、転職エージェントの意見を聞いたりするなど、第三者の意見を踏まえて冷静な判断ができるようにしましょう。